93回薬剤師国家試験問15 ステロイド骨格を持つ化合物
93回薬剤師国家試験 問15
ステロイド骨格をもつ化合物A〜Dに関する記述の正誤を判定してみよう。
a 化合物Aのヒドロキシ基はβ配置である。
b 化合物BのA/B環はtrans配置で結合している。
c 化合物Cは糖質コルチコイドに分類される。
d 化合物Dのヒドロキシ基は11位、17位、19位に存在している。
93回薬剤師国家試験 問15 解答解説
◆ aについて
a 〇 化合物Aのヒドロキシ基はβ配置である。
詳細は下記のリンク先を参照
ステロイドの置換基の立体,α・β配置とは 93回問15a
◆ bについて
b 〇 化合物BのA/B環はtrans配置で結合している。
詳細は下記のリンク先を参照
ステロイド骨格のcis,transとは 93回問15b
◆ cについて
c × 化合物Cは糖質コルチコイドに分類される。
→ 〇 化合物Cは黄体ホルモンのプロゲステロンである。
ステロイドのうち、17位にβ配置で20位,21位となる二炭素の置換基が存在するものをプレグナン系と呼ぶ。
糖質コルチコイド作用を有するには、11位にヒドロキシ基やケトンを有する必要がある。
化合物Cは11位にヒドロキシ基やケトンがないので、糖質コルチコイド作用はないと推測できる。
化合物Cはプレグナン系のプロゲステロンであり、黄体ホルモンに分類される。
◆ dについて
d × 化合物Dのヒドロキシ基は11位、17位、19位に存在している。
→ 〇 化合物Dのヒドロキシ基は11位、17位、21位に存在している。
化合物Dはプレグナン系の糖質コルチコイドのヒドロコルチゾンであり、ヒドロキシ基は11位、17位、21位に存在している。