グルクロン酸抱合の反応機構 109回薬剤師国家試験問210
109回薬剤師国家試験 問210
バルプロ酸やラモトリギンは、どちらもグルクロン酸転移酵素で代謝される。
ラモトリギンのグルクロン酸抱合体の構造として正しいのはどれか。
1つ選びなさい。
109回薬剤師国家試験 問210 解答解説
ラモトリギンのグルクロン酸抱合体の構造として正しいのは、
選択肢2である。
グルクロン酸抱合は、主に小胞体膜に存在するグルクロン酸転移酵素が触媒として作用し、UDP−α−D−グルクロン酸を補酵素とする(UDPとはウリジン二リン酸のこと)。
グルクロン酸抱合を受ける物質の構造中の、ヒドロキシ基,アミノ基,カルボキシ基,チオール基などの供与可能な非共有電子対を有する官能基が、UDP−α−D−グルクロン酸のグルクロン酸の1位炭素に求核攻撃し、
付加すると同時にUDPが脱離し、グルクロン酸抱合体が生成する。
よって、グルクロン酸抱合はSN2反応であるといえる。
グルクロン酸抱合反応はSN2反応であることから、グルクロン酸誘導体の立体に着目すると、UDP−α−D−グルクロン酸はα−アノマー(α体)であるが、SN2反応は立体反転を起こすので、グルクロン酸抱合体はβ−アノマー(β体)となる。
環状糖において、1位炭素の置換基と5位炭素の置換基が、
環に対して互いに逆側にあるものがα−アノマーであり、
環に対して互いに同じ側にあるものがβ−アノマーである。