GABAA受容体のベンゾジアゼピン結合部位に結合し、麻酔作用を示す薬 111回薬剤師国家試験問28の解説
111回薬剤師国家試験 問28
γ-アミノ酪酸GABAA受容体のベンゾジアゼピン結合部位に結合し、麻酔作用を示すのはどれか。1つ選びなさい。
1 デクスメデトミジン
2 チオペンタール
3 ドロペリドール
4 ミダゾラム
5 ケタミン
111回薬剤師国家試験 問28 解答解説
γ-アミノ酪酸GABAA受容体のベンゾジアゼピン結合部位に結合し、
麻酔作用を示すのは、選択肢4のミダゾラムです。

以下でミダゾラムの作用について解説します。
ミダゾラムはベンゾジアゼピン系薬です。
GABAそのものの代わりに作用するのではなく、
GABAA受容体のベンゾジアゼピン結合部位に結合し、GABAの作用を増強します。
GABAA受容体はCl−チャネル内蔵型受容体で、
GABAが結合するとCl−が細胞内へ流入し、
神経細胞が過分極して興奮しにくくなります。
その結果、麻酔、催眠、鎮静、抗不安、筋弛緩などの作用を示します。

以下では他の選択肢の薬物について解説します。
1 デクスメデトミジン
デクスメデトミジンは、中枢性α2アドレナリン受容体作動薬です。
特に脳幹の青斑核にあるα2受容体を刺激し、ノルアドレナリン神経の活動を抑えます。
その結果、覚醒レベルが下がり、鎮静作用を示します。
2 チオペンタール
チオペンタールは、バルビツール酸系の静脈麻酔薬です。
主にGABAA受容体のバルビツール酸結合部位に作用します。
バルビツール酸系薬の作用は用量により異なります。
低〜通常用量では、主にGABAの作用を増強し、Cl−チャネル開口時間を延長するとされます。
高用量では、GABAがなくてもGABAA受容体のCl−チャネルを直接開口させる作用も示します。

3 ドロペリドール
ドロペリドールは、ブチロフェノン系薬です。
主な中枢作用はドパミンD2受容体遮断で、
ヒスタミン拮抗作用、セロトニン拮抗作用も併せ持ち、鎮静作用を示します。
なお、ブチロフェノン butyrophenone とは、
butyro-:酪酸由来、4炭素鎖
phenone:フェニルケトン構造
を意味します。

5 ケタミン
ケタミンは、NMDA型グルタミン酸受容体の非競合的拮抗薬です。
NMDA受容体は興奮性神経伝達に関与するグルタミン酸受容体の一種で、
ケタミンはこれを遮断することで中枢の興奮性伝達を抑え、麻酔・鎮痛作用を示します。