94回薬剤師国家試験問177 医薬品の包装と容器
94回薬剤師国家試験 問177
医薬品の包装と容器に関する記述のうち、正しいものはどれか。
a SP包装は、錠剤やカプセル剤をポリ塩化ビニルなどを成型したくぼみに入れ、ラミネートフィルムを圧着したものである。
b セロファンは、透湿性が低いので、防湿性の包装材料として用いられる。
c エアゾール剤には、密封容器を用いる。
d プレフィルドシリンジは、薬液あるいは用時溶解・懸濁する薬剤と溶解・分散媒があらかじめ注射器に充てん、滅菌された製剤である。
e プラスチック製医薬品容器試験法は、注射剤の容器にのみ適用される。
94回薬剤師国家試験 問177 解答解説
◆ aについて
a × SP包装は、錠剤やカプセル剤をポリ塩化ビニルなどを成型したくぼみに入れ、ラミネートフィルムを圧着したものである。
SP(Strip Package)は、アルミ箔あるいはセロファンに低密度ポリエチレンなどの熱可塑性高分子フィルムを重ね合わせたラミネートフィルムを用い、錠剤やカプセルを2枚のフィルムではさみ、周囲を加熱圧着(ヒートシール)で閉じた包装である。
なお、1の記述のポリ塩化ビニルなどで成型したくぼみに錠剤やカプセル剤を入れ、
ラミネートフィルムを圧着したものはPTP(Press Through Package)包装である。
◆ bについて
b × セロファンは、透湿性が低いので、防湿性の包装材料として用いられる。
→ 〇 セロファンは、透湿性が高いので、防湿性の包装材料として用いられない。
セロファンに防湿効果はほとんどない。
他、ポリ塩化ビニル,ポリエチレンの防湿効果は低い。
アルミ箔は、機械的強度は低いが、防湿効果は高い。
◆ cについて
c 〇 エアゾール剤には、密封容器を用いる。
エアゾール剤は、容器に充填した液化ガス又は圧縮ガスと共に有効成分が噴出される製剤である。
エアゾール剤の容器には、通例、耐圧性の密封容器を用いる。
◆ dについて
d 〇 プレフィルドシリンジは、薬液あるいは用時溶解・懸濁する薬剤と溶解・分散媒があらかじめ注射器に充てん、滅菌された製剤である。
◆ eについて
e × プラスチック製医薬品容器試験法は、注射剤の容器にのみ適用される。
プラスチック製医薬品容器試験法は、
プラスチック製医薬品容器の設計及び品質評価に用いられるが、
輸液の容器に限らずプラスチック製医薬品容器全般に適用される。