3級アルコールのSN1反応 99回薬剤師国家試験問7の3

第99回薬剤師国家試験 問7の3
次の反応は求核置換反応であるか否か。

 

3級アルコールのSN1反応 99回薬剤師国家試験問7の3

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第99回薬剤師国家試験 問7の3 解答解説

 

3級アルコールのSN1反応 99回薬剤師国家試験問7の3

 

反応3はアルコールを基質とする求核置換反応である。
求核置換反応(SN反応)として代表的なものにSN1反応とSN2反応がある。
反応機構は下記のリンク先を参照
SN1・SN2の反応機構 83回問7ab

 

第3級アルコールやベンジル位やアリル位に−OHのあるアルコールなど、
−OHが脱離することにより安定性の高いカルボカチオンを生成するアルコール(ROH)では、ハロゲン化水素(HX)を反応させると、SN1反応によりOHとハロゲン(X)が置換したハロゲン化アルキル(RX)が生成する。
OHはそのまま脱離すると不安定な水酸化物イオン(OH−)となるのでそのままでは脱離しにくいが、ハロゲン化水素がOHをプロトン化して+OH2とすると安定なH2Oとなって脱離しやすくなる。
なお、反応中心炭素が不斉中心の場合、SN1の生成物は互いに鏡像異性体の等量混合物(ラセミ体)となる。
アルコールにハロゲン化水素が反応した場合のSN1反応は下記のように進む。

 

3級アルコールのSN1反応 99回薬剤師国家試験問7の3

 

 

なお、第1級・第2級アルコールでは、塩化チオニル(SOCl2)や三ハロゲン化リン(PX3)を求核剤として用いることで、SN2反応により−OHとハロゲン(X)を置換させてハロゲン化アルキルを生成できる。

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