赤外線は分子振動で双極子モーメントが変化するとき吸収 101回問203の2

101回薬剤師国家試験 問203の2
赤外吸収スペクトル法に関する下記の記述の正誤を判定してみよう。

 

2 赤外線は分子振動によって双極子モーメントが変化するときに吸収される。

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101回薬剤師国家試験 問203の2 解答解説

 

2 〇 赤外線は分子振動によって双極子モーメントが変化するときに吸収される。

 

分子の原子核の振動運動の様式(基準振動)として、対称伸縮振動,逆対称伸縮振動,面外変角振動,面内変角振動などがある。

 

分子の振動エネルギー準位を基底状態から励起状態へ励起するのに必要なエネルギーは、電磁波では赤外線の領域(波長2.5μm〜25μm,波数4000cm-1〜400cm-1)に相当する。
よって、赤外吸収スペクトル(infrared absorption spectrum略称IR)を測定することにより、
分子の振動エネルギーに関する情報が得られ、
分子構造に関する情報を得ることができる。

 

ただし、赤外線が吸収されるには、分子振動によって双極子モーメントが変化する必要がある。
例えば、CO2の分子振動について、
対称伸縮振動は双極子モーメントが変化しないので赤外吸収が起こらないのだが(赤外不活性)、
逆対称伸縮振動は双極子モーメントが変化するので赤外吸収が起こる(赤外活性)。

 

H2Oでは、対称伸縮振動も非対称伸縮振動もいずれも双極子モーメントが変化するので赤外吸収が起こる(赤外活性)。

 

★ 参考外部サイトリンク
赤外分光法の原理(日本分光さん)

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