13CO2の逆対称伸縮振動は12CO2と比べ低い波数側に検出 101回問203の4

101回薬剤師国家試験 問203の4
赤外吸収スペクトル法に関する下記の記述の正誤を判定してみよう。

 

4 13CO2の逆対称伸縮振動は12CO2と比べ低い波数側に検出される。

トップページへ

 

薬剤師国家試験過去問題 科目別まとめ一覧 へ

 

薬剤師国家試験過去問題集 赤外吸収スペクトル法 一覧 へ

 

101回薬剤師国家試験 問203の4 解答解説

 

4 〇 13CO2の逆対称伸縮振動は12CO2と比べ低い波数側に検出される。

 

化学結合を原子がばねでつながっているものとみなすと、フックの法則より、
分子の振動数は、原子の質量とばね定数によって決まる。
分子の振動数が大きいほど、振動エネルギーは大きい。

 

電磁波(光)の波長と波数は反比例するので、
分子の振動エネルギーと赤外線の吸収波数は比例し、
振動エネルギーが大きいほど、赤外線の吸収波数は大きい。

 

分子振動について、ばね定数が同じならば、
原子の質量が小さいほど赤外吸収の波数は大きくなり、
原子の質量が大きいほど赤外吸収の波数は小さくなる。

 

13Cは12Cより質量が大きいため、
13CO2の逆対称伸縮振動は12CO2と比べ低い波数側に検出される。

 

化学結合の強さはばね定数に反映され、
結合が強いほどばね定数は大きく、
振動エネルギーは大きいため、
赤外吸収の波数は大きくなる。

 

例えば、単結合よりも二重結合の方がばね定数は大きく、
赤外吸収の波数は大きい。

トップへ戻る