アセトアミノフェンによる肝毒性に関与し、エタノールにより誘導される酵素が関わる代謝過程 105回薬剤師国家試験問171
105回薬剤師国家試験 問171
1〜5のうち、アセトアミノフェンによる肝毒性に関与し、エタノールにより誘導される酵素が関わる代謝過程はどれか。1つ選びなさい。
105回薬剤師国家試験 問171 解答解説
アセトアミノフェンによる肝毒性に関与し、
エタノールにより誘導される酵素が関わる代謝過程は、
選択肢3の過程である。
アセトアミノフェンは大部分がグルクロン酸抱合や硫酸抱合で代謝されて排泄されるが、
一部はCYP2E1により代謝され、
N-アセチル-p -ベンゾキノンイミン(NAPQI)や3-ヒドロキシアセトアミノフェンを生じる。
N-アセチル-p -ベンゾキノンイミン(NAPQI)は、肝細胞のタンパク質と結合し、
肝細胞障害(肝細胞のネクローシス)を引き起こす。
NAPQIはグルタチオン抱合で解毒される。
エタノールの摂取は、CYP2E1の誘導とグルタチオンの欠乏を起こし、
NAPQIによる有害事象を起こしやすくする。
アセトアミノフェンの代謝経路の詳細については、
下記のリンク先を参照
アセトアミノフェンの代謝経路と中毒の対処法
関連問題
・アセトアミノフェンの活性代謝物の構造と解毒薬 98回問236,237
・アセトアミノフェンの代謝物に対するグルタチオン抱合の機構 102回問209
★ 他サイトさんの解説リンク
105回問171(e-RECさん)