胆汁酸トランスポーターを阻害する便秘薬 111回薬剤師国家試験問36の解説
111回薬剤師国家試験 問 36
胆汁酸トランスポーターを阻害し、
大腸管腔内の胆汁酸量を増加させることで便秘を改善するのはどれか。
1つ選びなさい。
1 ルビプロストン
2 リナクロチド
3 エロビキシバット
4 トリメブチン
5 ラモセトロン
111回薬剤師国家試験 問 36 解答解説
胆汁酸トランスポーターを阻害し、
大腸管腔内の胆汁酸量を増加させることで便秘を改善するのは、
選択肢3のエロビキシバットです。

以下で解説します。
エロビキシバットは、小腸の回腸末端部にある胆汁酸トランスポーターを阻害します。
これにより胆汁酸の再吸収が抑制され、大腸へ流入する胆汁酸が増えます。
胆汁酸は大腸で水分・電解質分泌を促進し、
さらに腸管運動を亢進させるため、排便が促されます。
以下で他の選択肢について解説します。
1 ルビプロストン
ルビプロストンは小腸上皮細胞の腸管内腔側にあるクロライドチャネルを活性化します。
これにより、腸管内へCl−が分泌され、
それに伴って Na+や水分も腸管内へ移動します。
腸管内の水分が増え、便が軟らかくなることで排便が促されます。
2 リナクロチド
リナクロチドは、
腸管上皮細胞の管腔側にあるグアニル酸シクラーゼC受容体を刺激します。
すると細胞内の cGMP が増加し、腸管内へのCl−やHCO3−の分泌が促進され、
それに伴い腸管内への水分分泌が増加し、便が軟らかくなり排便が促進されます。
また、リナクロチドのグアニル酸シクラーゼC受容体刺激作用は、
求心性神経の興奮を抑えることで、腹痛や腹部不快感を軽減する効果ももたらします。
4 トリメブチン
トリメブチンは、消化管運動調節薬です。
消化管運動が低下しているときには運動を促進し、
逆に過剰に亢進しているときには運動を抑える方向に働きます。
この働きには、
消化管平滑筋のK+チャネルやCa2+チャネルへの作用、
消化管の神経系のオピオイド受容体への作用が関与すると考えられています。
5 ラモセトロン
ラモセトロンは、腸管神経系のセロトニン5-HT3受容体を遮断することで、
過剰な腸管運動や下痢を抑えます。
また、ラモセトロンは、
求心性神経にある 5-HT3受容体を遮断して大腸痛覚の過敏を抑制します。