カルボン酸とメトキシドイオンの反応 100回薬剤師国家試験問104の1

第100回薬剤師国家試験 問104の1
下記の反応1について、電子移動を示す矢印(細い矢印)で記した機構が主となって、実際に進行し生成物が得られるか判定してみよう。

 

酢酸(カルボン酸)とメトキシドイオンの反応 100回問104の1

トップページへ

 

薬剤師国家試験過去問題 科目別まとめ一覧 へ

 

薬剤師国家試験科目別過去問題集 有機化学 カルボン酸・カルボン酸誘導体 へ

 

第100回薬剤師国家試験 問104の1 解答解説

 

酢酸(カルボン酸)とメトキシドイオンの反応 100回問104の1

 

反応1は起こらない。
酢酸とメトキシドイオン(CH3O:−)との反応では、
酢酸が酸で、メトキシドイオンが塩基となる酸塩基反応が進行する。

 

メトキシドイオン(CH3O:−)はメタノールの共役塩基である。
メタノール(CH3OH)は非常に弱い酸であるので、その共役塩基であるメトキシドイオン(CH3O:−)は強塩基である。

 

よって、カルボン酸である酢酸とメトキシドイオンの反応では酸塩基反応が起こり、強塩基のメトキシドイオンが酢酸のカルボキシ基からプロトンを引き抜き、酢酸イオン(CH3COO:−)とメタノール(CH3OH)が生成する。
このように、カルボン酸と強塩基の反応では、求核アシル置換反応ではなく酸塩基反応が起こることに注意が必要である。

 

他、カルボン酸とグリニャール試薬の反応でも、
同様に酸塩基反応となる。
詳細は下記のリンク先を参照
カルボン酸とグリニャール試薬の反応 94回問8d

 

★他サイトさんの解説へのリンク
第100回問104(e-RECさん)

トップへ戻る