酸塩化物の合成 カルボン酸+塩化チオニルSOCl2 94回薬剤師国家試験問10c

第94回薬剤師国家試験 問10c
酢酸誘導体Cに関する記述cの正誤を判定してみよう。

 

酸塩化物の合成 カルボン酸+塩化チオニルSOCl2 94回問10c

 

c Cは酢酸に希塩酸を加えると直ちに生成する。

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第94回薬剤師国家試験 問10c 解答解説

 

酸塩化物の合成 カルボン酸+塩化チオニルSOCl2 94回問10c

 

c × Cは酢酸に希塩酸を加えると直ちに生成する。

 

Cは酸塩化物である。
酸塩化物の合成法は、カルボン酸に対して、塩化チオニル(SO2Cl),塩化ホスホリル(POCl3),五塩化リン(PCl3),塩化オキザリル(ClCOCOCl)などの塩素化剤を反応させる。

 

カルボン酸(R-COOH)と塩化チオニル(SOCl2)の反応では、まずカルボン酸が塩化チオニルの硫黄原子に求核攻撃を行い、中間体のクロロ亜硫酸エステルと副産物の塩化物イオン(Cl−)を生成し、その後、クロロ亜硫酸エステルに対して塩化物イオンが付加−脱離する求核アシル置換反応が起こり、酸塩化物(R-CO-Cl)と副産物として二酸化硫黄(SO2)と塩化水素(HCl)が生成する。二酸化硫黄と塩化水素が反応系の外へと除かれるので、この酸塩化物の生成反応は不可逆反応となる。

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