両逆数プロットと競合阻害 107回薬剤師国家試験問170

107回薬剤師国家試験 問170
ある薬物のアルブミンへの結合に関する両逆数プロットを実線で表し、また、この薬物のアルブミンへの結合が別の薬物の共存により競合的に阻害された場合を点線で表すとき、正しい図はどれか。1つ選びなさい。
ただし、図中のrはアルブミン1分子あたりに結合している薬物の分子数を、[Df]は非結合形薬物濃度を示す。

 

107回薬剤師国家試験問170 両逆数プロットと競合阻害

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107回薬剤師国家試験 問170 解答解説

 

正解は3である。

 

107回薬剤師国家試験問170 両逆数プロットと競合阻害

 

 

薬物とタンパク質との結合について、
以下のラングミュアー式が成り立つとする。

 

107回薬剤師国家試験問170 両逆数プロットと競合阻害

 

 

ラングミュアー式を変形すると、
以下に示す両逆数プロット式が得られる。

 

107回薬剤師国家試験問170 両逆数プロットと競合阻害

 

 

両逆数プロットの式より、
縦軸に1/r、
横軸に1/[Df]をプロットして得られる直線(両逆数プロット)について、
縦軸切片は1/n、横軸切片は−K、傾きは1/(n・K)に等しい。

 

107回薬剤師国家試験問170 両逆数プロットと競合阻害

 

本問の薬物のアルブミン結合が競合的に阻害された場合、
結合定数(K)は低下し、結合部位数(n)は変化しない。
そのため、図の点線は、実線に比べ、
傾きは急になり、縦軸切片は変化せず、
横軸切片は右にシフトする。
以上より、正解は3の図だと考えられる。

 

107回薬剤師国家試験問170 両逆数プロットと競合阻害

 

 

なお、薬物のタンパク結合が非競合的に阻害される場合は、
タンパク質の構造が変化することにより、
結合部位数(n)は減少するが、結合定数(K)は変化しない。
そのため、図の点線は、実線に比べ、
傾きは急になり、縦軸切片は上昇し、
横軸切片は変化しない。

 

よって、選択肢1の点線は、結合が非競合的に阻害された場合を示すと考えられる。

 

107回薬剤師国家試験問170 両逆数プロットと競合阻害

 

 

関連問題
・タンパク結合のラングミュアプロットと両逆数プロット 91回問154

 

・両逆数プロットによるタンパク結合の解析 99回問168

 

 

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