血漿タンパク質と薬物の結合に関する記述 108回薬剤師国家試験問169

108回薬剤師国家試験 問169
血漿タンパク質と、血漿タンパク質と薬物の結合に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選びなさい。
1 血漿タンパク質と薬物の結合は、通常、共有結合である。
2 血漿タンパク質のうち、最も多く存在するのがγ−グロブリンである。
3 血漿タンパク質のうち、α1−酸性糖タンパク質は多くの酸性薬物と結合する。
4 血漿アルブミン濃度は肝硬変で低下し、血漿中の薬物の非結合形の割合が増加する。
5 併用薬により血漿タンパク結合の競合阻害を受けた薬物は、単独投与の場合と比較して組織への分布量が増加する。

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108回薬剤師国家試験 問169 解答解説

 

◆ 1について
1 × 血漿タンパク質と薬物の結合は、通常、共有結合である。

 

血漿タンパク質と薬物の結合は、通常、静電的相互作用、水素結合、ファンデルワールス力、疎水性相互作用により、可逆的である。

 

 

◆ 2について
2 × 血漿タンパク質のうち、最も多く存在するのがγ−グロブリンである。

 

血漿タンパク質のうち、最も多く存在するのがアルブミンであり、
血漿タンパクの約55%を占める。

 

 

◆ 3について
3 × 血漿タンパク質のうち、α1−酸性糖タンパク質は多くの酸性薬物と結合する。

 

α1−酸性糖タンパク質は、塩基性薬物と強く結合し、
プロプラノロール,リドカイン,リトナビル,イミプラミン,イマチニブなどとの親和性が高い。
なお、酸性薬物と強く結合する血漿タンパク質として、
アルブミンがある。

 

 

◆ 4について
4 ○ 血漿アルブミン濃度は肝硬変で低下し、血漿中の薬物の非結合形の割合が増加する。

 

血漿タンパクは肝臓で合成されるので、
肝硬変では血漿アルブミン濃度は低下し、
血漿中の薬物の非結合形の割合が増加する。

 

 

◆ 5について
5 ○ 併用薬により血漿タンパク結合の競合阻害を受けた薬物は、単独投与の場合と比較して組織への分布量が増加する。

 

非結合型薬物のみ、血漿から組織へ移行する。
併用薬により血漿タンパク結合の競合阻害を受けた薬物は、非結合型が増えるので、
単独投与の場合と比較して組織への分布量が増加する。

 

関連問題
薬物の血漿タンパク結合に関する総合問題 94回問154

 

 

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