イリノテカンの代謝経路 109回薬剤師国家試験問178
109回薬剤師国家試験 問178
抗悪性腫瘍薬であるイリノテカンはプロドラッグである。
この薬物の代謝に関する以下の問に答えなさい。
イリノテカンは酵素(ア)によって活性代謝物(イ)に変換され、
さらに酵素(ウ)によって代謝物(エ)に変換され不活化される。
(ア)の酵素及び(イ)の構造式、
(ウ)の酵素及び(エ)の構造式のそれぞれの組合せとして、
正しいのはどれか。1つ選びなさい。
109回薬剤師国家試験 問178 解答解説
正解は3である。
イリノテカンは酵素(ア:カルボキシエステラーゼ)によって活性代謝物(イ:A)に変換され、さらに酵素(ウ:UDP-グルクロン酸転移酵素)によって代謝物(エ:B)に変換され不活化される。
イリノテカンはカンプトテシン誘導体の抗がん剤であり、
生体内のカルボキシエステラーゼでエステル結合が加水分解され、
活性代謝物のSN-38を生成するプロドラッグである。
SN-38はI型DNAトポイソメラーゼを阻害することによって、DNA合成を阻害する。
殺細胞効果は細胞周期のS期に特異的であり、
制限付時間依存性に効果を示す薬剤である。
SN-38はUDP-グルクロン酸転移酵素によりグルクロン酸抱合され、不活化される。