87回薬剤師国家試験問33 原子吸光光度法
87回薬剤師国家試験問 問33
日本薬局方における原子吸光光度法の記述の正誤について,正しいものはどれか。
a 原子吸光光度法は,光が原子蒸気層を通過するとき,基底状態の原子が特有の波長の光を吸収する現象を利用し,試料中の元素量を測定する方法である。
b 原子スペクトルは,紫外可視分光スペクトルと同様に連続スペクトルである。
c 分光器は,光源部,試料原子化部,分光部,測定部及び記録部からなり,光源には水銀ランプが用いられる。
d 定量するときには,検量線法,標準添加法及び内標準法を用いるが,干渉やバックグラウンドの補正をする必要がある。
e 金チオリンゴ酸の定量には,原子吸光光度法を用いる。
87回薬剤師国家試験問 問33 解答解説
◆ aについて
a 〇 原子吸光光度法は,光が原子蒸気層を通過するとき,基底状態の原子が特有の波長の光を吸収する現象を利用し,試料中の元素量を測定する方法である。
詳細は下記のリンク先を参照
原子吸光光度法の原理 89回問32abc
◆ bについて
b × 原子スペクトルは,紫外可視分光スペクトルと同様に連続スペクトルである。
→ 〇 原子スペクトルは,紫外可視分光スペクトルと同様に輝線スペクトルである。
詳細は下記のリンク先を参照
原子吸光光度法は線スペクトル 94回問33の4
◆ cについて
c × 分光器は,光源部,試料原子化部,分光部,測定部及び記録部からなり,光源には水銀ランプが用いられる。
原子吸光光度法の光源として、
水銀ランプ(放電ランプの1種)は分析対象が水銀の場合のみ用いられる。
原子吸光光度法の光源として主に用いられるのは中空陰極ランプである。
◆ dについて
d 〇 定量するときには,検量線法,標準添加法及び内標準法を用いるが,干渉やバックグラウンドの補正をする必要がある。
下記のリンク先を参照
原子吸光光度法での干渉 94回問33の5
◆ eについて
e 〇 金チオリンゴ酸の定量には,原子吸光光度法を用いる。
原子吸光光度法は金属の定量に用いられるので、
構造中に金を含む金チオリンゴ酸の定量に原子吸光光度法が用いられる。