日本薬局方通則に関する記述 96回薬剤師国家試験問171
96回薬剤師国家試験 問171
日本薬局方通則に関する記述のうち、正しいものはどれか。
a 滴数を量るには、20℃において「常水」20滴を滴加するとき、その質量が0.90〜1.10 gとなるような器具を用いる。
b 常温は15〜25℃とする。
c 定量に供する試料の採取量に「約」を付けたものは、記載された量の±10%の範囲をいう。
d 0.05 gを精密に量る場合、適切なはかりを用いて0.045〜0.054 gを量る。
96回薬剤師国家試験 問171 解答解説
◆ aについて
a × 滴数を量るには、20℃において「常水」20滴を滴加するとき、その質量が0.90〜1.10 gとなるような器具を用いる。
日本薬局方通則の記載は下記の通り。
「滴数を量るには,20℃において水20滴を滴加するとき,その質量が0.90 〜 1.10 gとなるような器具を用いる.」
よって、常水である必要はない。
関連問題
日本薬局方 医薬品の試験に用いる水 89回問169a
◆ bについて
b 〇 常温は15〜25℃とする。
標準温度は20℃,常温は15〜25℃,室温は1〜30℃,
微温は30〜40℃とする.
冷所は,別に規定するもののほか,1〜15℃の場所とする.
なお、医薬品の試験は,別に規定するもののほか常温で行い,操作直後に観察するものとする.
ただし,温度の影響のあるものの判定は,標準温度における状態を基準とする.
◆ cについて
c 〇 定量に供する試料の採取量に「約」を付けたものは、記載された量の±10%の範囲をいう。
◆ dについて
d × 0.05 gを精密に量る場合、適切なはかりを用いて0.045〜0.054 gを量る。
質量を「精密に量る」とは,
量るべき最小位を考慮し,
0.1 mg,0.01 mg,0.001 mg又は0.0001 mgまで量ることを意味し、
これは、記載された質量の1000分の1の桁まで量ることを示す。
はかりの使い分けについて、
0.1mgまでは化学はかり,
0.01mgまではセミミクロ化学はかり,
0.001 mgまではミクロ化学はかり,
0.0001 mgまではウルトラミクロ化学はかり
を使う。
よって、0.05 gを精密に量る場合、0.05gの1000分の1の桁まで量ることを示し、
この場合、セミミクロ化学はかりを用いる。
なお、質量を「正確に量る」とは,
指示された数値の質量をその桁数まで量ることを意味し、
これは、指示された数値の次の桁を四捨五入して,
指示された数値になるよう量ればよいことを示す。
例えば、0.05 gを正確に量る場合、0.045〜0.054 gを量ることを示し、
この場合、化学はかりを用いる。