ガドリニウム造影剤に含まれるGd 3+イオンは、常磁性を示す 102回薬剤師国家試験問197の4
第102回薬剤師国家試験 問197の4
MRI 造影剤に関する記述の正誤を判定してみよう。
4 ガドリニウム造影剤に含まれるGd 3+イオンは、反磁性を示す。
第102回薬剤師国家試験 問197の4
4 × ガドリニウム造影剤に含まれるGd 3+イオンは、反磁性を示す。
→ ○ ガドリニウム造影剤に含まれるGd 3+イオンは、常磁性を示す。
MRI 造影剤として常磁性の金属イオンを含む化合物を利用するのは、常磁性物質がプロトンのT1(縦緩和時間)及びT2(横緩和時間)を変化させるからである。
ガドリニウムイオン(Gd 3+)は7個の不対電子を持ち、常磁性を示す。
MRIにおいてガドリニウム造影剤は、主としてGd 3+周囲のプロトンのT1(縦緩和時間)を短縮し、T1強調画像で高信号となる陽性造影剤として用いられる。
ガドリニウム製剤の他、鉄やマンガンなどの常磁性を持つ金属を含む化合物がMRIの造影剤として用いられる。
同じ金属でも、用途により、ある時は陽性造影剤として、ある時は陰性造影剤として使い分けらる。
・超磁性酸化鉄製剤(フェルモキシデス、フェルカルボトラン)
超磁性酸化鉄製剤は主として肝臓の陰性造影剤として用いられ、肝臓の細網内系のクッパー細胞に取り込まれ、鉄イオン周囲のプロトンのT2(横緩和時間)を短縮し、T2強調画像で低信号となる陰性造影剤として用いられる。
・クエン酸鉄アンモニウム
クエン酸鉄アンモニウムは、主として経口投与の消化管の陽性造影剤として用いられ、鉄イオン周囲のプロトンのT1(縦緩和時間)を短縮し、T1強調画像で高信号となる陽性造影剤として用いられる。
・塩化マンガン四水和物
主として、マンガンイオン(Mn 2+)周囲のプロトンのT2(横緩和時間)を短縮し、T2強調画像で低信号となる陰性造影剤として用いられる。経口投与で消化管の陰性造影剤として用いられる。