Cl、N、Sの酸化物 薬学無機化学 薬剤師国家試験88回問2

第88回薬剤師国家試験 問2
Cl、N、Sの酸化物に関する記述の正誤を判定してみよう。

 

1.N2Oには全身麻酔作用がある。

 

2.KClO3には酸化作用はない。

 

3.H2SO4は水と任意の割合で混ざり、この時発熱する。

 

4.SO2には還元作用がある。

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第88回薬剤師国家試験 問2 解答解説

 

◆ 1について
1.〇 N2O(亜酸化窒素)には全身麻酔作用がある。

 

N2Oは一酸化二窒素または亜酸化窒素と呼ばれる。
N2O(亜酸化窒素)で麻酔がかかった患者の表情が笑ったように見えることから、N2Oは笑気ガスとも呼ばれる。
N2O(亜酸化窒素)は多幸感,陶酔感を得る目的での乱用防止のため、指定薬物に指定された。(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)

 

★参考外部サイトリンク
亜酸化窒素(wikipediaさん)

 

窒素酸化物(wikipediaさん)

 

 

◆ 2について
2.× KClO3には酸化作用はない。
→ 〇 KClO3(塩素酸カリウム)には酸化作用がある。

 

★参考外部サイトリンク
塩素酸カリウム(wikipediaさん)

 

塩素酸塩類(図解でわかる危険物取扱者講座さん)

 

 

◆ 3について
3.〇 H2SO4(硫酸)は水と任意の割合で混ざり、この時発熱する。

 

硫酸と水を混ぜる(硫酸を水和する)と発熱する。
硫酸を水で希釈する際は、多量の水に濃硫酸を少しずつ加えていく。
硫酸に水を加えるやり方だと、硫酸に少量の水を加えることになり、発熱によって少ししかない水が気化するとともに硫酸が飛散するので危険である。

 

また、質量パーセント濃度が90%以上の硫酸を濃硫酸と呼び、濃硫酸には脱水作用がある。

 

★参考外部サイトリンク
硫酸(wikipediaさん)

 

硫黄酸化物(wikipediaさん)

 

 

◆ 4について
4.〇 SO2(二酸化硫黄)には還元作用がある。

 

SO2には相手を還元して自身は酸化されるという還元作用を示す。
ただ、当然のことながら、反応する相手がSO2より相対的に強い還元作用を持つものであればSO2が還元され相手が酸化されるという酸化作用を示す。

 

★参考外部サイトリンク
二酸化硫黄(wikipediaさん)

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