甲状腺ペルオキシダーゼを直接阻害する薬 111回薬剤師国家試験問38の解説
111回薬剤師国家試験 問38
甲状腺ペルオキシダーゼを直接阻害することで、
甲状腺ホルモンの生合成を抑制するのはどれか。1つ選びなさい。
1 プロチレリン
2 リオチロニン
3 レボチロキシン
4 プロピルチオウラシル
5 ヒトチロトロピン アルファ
111回薬剤師国家試験 問38 解答解説
甲状腺ペルオキシダーゼを直接阻害することで、
甲状腺ホルモンの生合成を抑制するのは、
選択肢4のプロピルチオウラシルです。

以下で解説します。
甲状腺ホルモンであるT3・T4は、甲状腺濾胞細胞で合成されます。
この合成過程では、甲状腺ペルオキシダーゼが重要な役割を持ちます。
プロピルチオウラシルは、甲状腺ペルオキシダーゼを阻害することで、
甲状腺ホルモンの生合成を抑制します。
したがって、プロピルチオウラシルは、
甲状腺機能亢進症、特にバセドウ病などに用いられます。
以下では他の選択肢について解説します。
1 プロチレリン
プロチレリンは、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)製剤です。
TRHは視床下部から分泌され、下垂体前葉を刺激してTSHとプロラクチンの分泌を促進します。
プロチレリンも同様の作用を示します。
甲状腺ホルモン合成を抑制する薬ではありません。
2 リオチロニン
甲状腺ホルモンであるT3製剤です。
甲状腺機能低下症などで用いられる甲状腺ホルモン補充薬です。
3 レボチロキシン
甲状腺ホルモンであるT4製剤です。
甲状腺機能低下症などで用いられる甲状腺ホルモン補充薬です。
5 ヒトチロトロピン アルファ
ヒトチロトロピン アルファは、
遺伝子組換え甲状腺刺激ホルモン(TSH)製剤です。
TSHは下垂体前葉から分泌され、甲状腺細胞のTSH受容体に作用し、
T3・T4の産生・分泌を促進します。
ヒトチロトロピン アルファも同様の作用を示しますが、
臨床では主に分化型甲状腺癌 の診断・治療補助に使われます。