表面張力に関する記述 86回薬剤師国家試験問22
86回薬剤師国家試験 問22
表面張力に関する記述のうち、正しいものはどれか。
a 表面張力は、単位面積をつくり出すのに必要な仕事とも考えられるので、J・m−2の単位で表すこともできる。
b 分子間力が大きい液体ほど表面張力は小さい。
c 水中にガラスの毛管の一端を垂直に挿入するときに、毛管内の水面が上昇する現象には、表面張力が関係している。
d 水銀中にガラスの毛管の一端を垂直に挿入するときに、毛管内の水銀面が下降する現象は、表面張力では説明できない。
86回薬剤師国家試験 問22 解答解説
◆ aについて
a 〇 表面張力は、単位面積をつくり出すのに必要な仕事とも考えられるので、J・m−2の単位で表すこともできる。
界面張力は単位長さあたりの力として表され、その単位はN/mである。
また、界面張力は、界面張力に逆らって新たに単位面積の界面をつくるのに要する仕事量としても表される。
この場合、単位はJ/m2で表される。
詳細は下記のリンク先を参照
界面張力の定義と単位 99回問94の1
◆ bについて
b × 分子間力が大きい液体ほど表面張力は小さい。
→ 〇 分子間力が大きい液体ほど表面張力は大きい。
◆ cについて
c 〇 水中にガラスの毛管の一端を垂直に挿入するときに、毛管内の水面が上昇する現象には、表面張力が関係している。
毛細管現象によるぬれは浸透ぬれ(浸漬ぬれ)に分類される。
ぬれとは、固体−気体界面に液体が接触し、固体−気体界面が固体−液体界面に置き換わる現象であり、界面張力が関係する。
◆ dについて
d × 水銀中にガラスの毛管の一端を垂直に挿入するときに、毛管内の水銀面が下降する現象は、表面張力では説明できない。
毛管内の液面が下降する現象は、表面張力によるものである。