94回薬剤師国家試験問23 表面・界面張力に関する記述
94回薬剤師国家試験 問23
表面・界面張力に関する記述のうち、正しいものはどれか。
a 表面張力の単位はN・m−2である。
b 毛管上昇法での液体の表面張力は、毛管内の液体柱の高さに比例する。
c 水の表面張力は、ベンゼンの表面張力に比べて小さい。
d 水とオクタンの界面に1-オクタノールを加えると、界面張力は低下する。
94回薬剤師国家試験 問23 解答解説
◆ aについて
a × 表面張力の単位はN・m−2である。
→ 〇 表面張力の単位はN・m−1またはJ・m−2である。
界面張力は単位長さあたりの力として表され、その単位はN/mである。
また、界面張力は、界面張力に逆らって新たに単位面積の界面をつくるのに要する仕事量としても表される。
この場合、単位はJ/m2で表される。
詳細は下記のリンク先を参照
界面張力の定義と単位 99回問94の1
◆ bについて
b 〇 毛管上昇法での液体の表面張力は、毛管内の液体柱の高さに比例する。
参考外部サイトリンク
表面張力の測定方法(あすみ技研さん)
◆ cについて
c × 水の表面張力は、ベンゼンの表面張力に比べて小さい。
→ 〇 水の表面張力は、ベンゼンの表面張力に比べて大きい。
物質の極性・分子間力と表面張力の関係について、大まかな傾向は下記の通り。
・極性が大きく分子間力が強い物質ほど、表面張力は大きい。
・極性が小さく分子間力が弱い物質ほど、表面張力は小さい。
水はベンゼンに比べて分子間力は強いので、
水はベンゼンに比べて表面張力が大きい。
◆ dについて
d 〇 水とオクタンの界面に1-オクタノールを加えると、界面張力は低下する。
水とオクタンの界面に1-オクタノールを加えると、
1-オクタノールは親水性のOHを水の方に向け、疎水性の炭化水素基をオクタンの方に向ける形で界面に吸着する。
これにより、界面張力は低下する。