96回薬剤師国家試験問25 粉末X線回折測定法 ハローパターン,ブラッグの式
96回薬剤師国家試験 問25
粉末X線回折測定法に関する記述のうち、正しいものはどれか。
a 無配向化した粉末試料にX線を照射し、その物質中の原子核を強制振動させることにより生じる干渉性散乱X線による回折強度を、各回折角について測定する方法である。
b X線の波長をλ、面間隔をd、結晶の入射角及び反射角をθ、反射次数をnとすると、2d cosθ=nλを満たす角度でのみX線回折が生じる。
c 結晶、結晶多形及び溶媒和結晶の同定、判定、定量などに用いることができる。
d 明確な構造の規則性をもたない非晶質や結晶性の著しく低下した試料の場合、そのX線回折パターンは散漫性の極大をもつハローパターンを示す。
96回薬剤師国家試験 問25 解答解説
◆ aについて
a × 無配向化した粉末試料にX線を照射し、その物質中の原子核を強制振動させることにより生じる干渉性散乱X線による回折強度を、各回折角について測定する方法である。
→ 〇 粉末X線回折測定法は、無配向化した粉末試料にX線を照射し、その物質中の電子を強制振動させることにより生じる干渉性散乱X線による回折強度を、各回折角について測定する方法である。
◆ bについて
b × X線の波長をλ、面間隔をd、結晶の入射角及び反射角をθ、反射次数をnとすると、2d cosθ=nλを満たす角度でのみX線回折が生じる。
→ 〇 X線の波長をλ、面間隔をd、結晶の入射角及び反射角をθ、反射次数をnとすると、2d sinθ=nλを満たす角度でのみX線回折が生じる。
詳細は下記のリンク先を参照
X線回折とブラッグの式 96回問25b
◆ cについて
c 〇 粉末X線回折測定法は結晶、結晶多形及び溶媒和結晶の同定、判定、定量、結晶化度の評価などに用いることができる。
◆ dについて
d 〇 明確な構造の規則性をもたない非晶質や結晶性の著しく低下した試料の場合、その粉末X線回折パターンは散漫性の極大をもつハローパターンを示す。
下記のDをハローパターンと呼び、
これは分子の配列に規則性がない非晶質や結晶性の著しく低下した試料であることを示す。