X線回折法 X線源のターゲット(対陰極)と特性X線 99回薬剤師国家試験問100の1,2
99回薬剤師国家試験 問100の1,2
X線回折法に関する記述の正誤を判定してみよう。
1 X線源のターゲット(対陰極)にはCuやMoが用いられる。
2 測定には、連続X線が通常用いられる。
99回薬剤師国家試験 問100の1,2 解答解説
1 〇 X線源のターゲット(対陰極)にはCuやMoが用いられる。
2 × 測定には、連続X線が通常用いられる。
→ 〇 測定には、特性X線が通常用いられる。
X線を発生する装置であるX線管球では、
陰極から対陰極のターゲットに向けて熱電子を高速で放出し、
熱電子が衝突したターゲット原子の内核電子が弾き出されて電子殻に空孔が生じると、
弾き出された電子の外側の電子殻の電子が空孔に遷移してくるが、
この時に2つの電子軌道のエネルギーの差に相当するエネルギーが特性X線(蛍光X線)として放出される(二次X線)。
X線源のターゲット(対陰極)には、
原子間結合距離に近い波長の特性X線が得られるCu又はMoが用いられることが多い。
特性X線はターゲット原子に固有の波長を持つ。
X線源のターゲットにどの原子を用いるかで得られる特性X線の波長が異なり、分解能などに差が出る。