アルケン 金属触媒による水素付加 接触水素化(接触還元) 98回薬剤師国家試験問103の3
第98回薬剤師国家試験 問103の3
AとBはそれぞれ互いに異性体である。以下の反応について、どちらが主生成物であるか判定してみよう。
第98回薬剤師国家試験 問103の3 解答解説
★ アルケンの求電子付加反応
アルケンのC=Cはσ結合の上下にπ結合の電子雲が広がっているので、アルケンは電子豊富な構造である。
電子豊富なアルケンは求電子試薬と反応し、求電子付加反応を起こすことが多い。
設問の反応について、
Pt(白金),Pd(パラジウム),Ni(ニッケル)などの金属触媒の存在下、アルケンに対してH2を反応させると、アルケンのC=Cに対して2つのHがsyn付加したアルカンが生成する。
この還元反応は、アルケンの接触水素化反応と呼ばれる。
したがって、3の反応の主生成物はBである。
反応3は下記のように進む。
なお、3の反応の生成物は絶対配置が(R,S)で分子内に対称面があり、メソ化合物である。