テガフール プロドラッグの目的 108回薬剤師国家試験問171の3
108回薬剤師国家試験 問171の3
プロドラッグとその親化合物及びプロドラッグ化の目的に関する記述の正誤を判定してみよう。
3 テガフールは5−フルオロウラシルのプロドラッグであり、その目的は作用の持続化である。
108回薬剤師国家試験 問171の3
3 〇 テガフールは5−フルオロウラシルのプロドラッグであり、その目的は作用の持続化である。
テガフールは、5-フルオロウラシル(5-FU)を親化合物とするプロドラッグであり、その目的は作用の持続性改善である。テガフールは生体内で肝臓のCYP2A6などで代謝され、5-フルオロウラシルとなる。
テガフールは徐々に5-フルオロウラシルに変換されるので、作用が持続する。
5-フルオロウラシルは、細胞内で5-フルオロデオキシウリジン-5´-一リン酸(FdUMP)に代謝され、チミジル酸シンターゼ(チミジル酸合成酵素)と共有結合を形成し、
これを不可逆的に阻害する。
テガフールは単剤(フトラフール)の他、
テガフール,ギメラシル,オテラシルカリウムの3剤の配合剤(ティーエスワン配合剤)として用いられる。
下記のリンク先を参照
ティーエスワンの作用機序
他の5−フルオロウラシルのプロドラッグとしてはドキシフルリジンとカペシタビンが有名であり、
これらは腫瘍細胞内での選択的活性化を目的としたプロドラッグである。
詳細は下記のリンク先を参照
ドキシフルリジンとカペシタビンのプロドラッグ化の目的 87回問172a