フルスルチアミンのプロドラッグ化の目的 108回薬剤師国家試験問171の2
108回薬剤師国家試験 問171の2
プロドラッグに関する記述の正誤を判定してみよう。
2 フルスルチアミンはチアミンのプロドラッグであり、プロドラッグ化の目的は溶解性の増大である。
108回薬剤師国家試験 問171の2 解答解説
2 × フルスルチアミンはチアミンのプロドラッグであり、プロドラッグ化の目的は溶解性の増大である。
フルスルチアミン(アリナミン)は、チアミン(ビタミンB1)を親化合物とするプロドラッグであり、その目的は消化管での安定性の向上、および、受動拡散の促進による消化管吸収の改善である。
チアミン(ビタミンB1)は、消化管内で腸内細菌のビタミンB1分解酵素のチアミナーゼ(アノイリナーゼ)により分解される。フルスルチアミンは、チアミンにジスルフィド結合でテトラヒドロフルフリル基を導入したものであり、チアミナーゼによる分解を回避でき、消化管内で安定である。
さらに、この導入により、チアミンでは4級アンモニウムだった窒素がフルスルチアミンでは3級アミンになり、また、テトラヒドロフルフリル基は脂溶性であるため、フルスルチアミンは受動拡散の促進により消化管吸収が増大している。
フルスルチアミンは、体内でジスルフィド結合が還元されてチアミンとなる。