アンモニア・塩化アンモニウム緩衝液の調整 108回薬剤師国家試験問95
108回薬剤師国家試験 問95
0.20 mol/L 塩化アンモニウム水溶液100 mLを用いてアンモニア・塩化アンモニウム緩衝液(pH 9.0)を調製したい。この塩化アンモニウム水溶液に加える0.18 mol/L アンモニア水溶液の液量に最も近い値はどれか。1つ選びなさい。
ただし、アンモニアのpKb = 4.7、水のイオン積[H+][OH−] = 1.0×10−14(mol/L)2、100.3 = 2とし、混合により各水溶液の体積は変化しないものとする。
1 15mL
2 35mL
3 55mL
4 75mL
5 95mL
108回薬剤師国家試験 問95 解答解説
正解は3の55mLである。
本問は、弱塩基のアンモニア(NH3)とその共役酸のアンモニウムイオン(NH4+)の塩である塩化アンモニウム(NH4Cl)から成る緩衝液に関する問いである。
水溶液中でのNH3とNH4Clの電離は下記の通り。
NH4Clは水中で完全に電離するが、
NH3は水中ではほとんど電離しない。
弱塩基とその共役酸の塩の緩衝液のpHについて、
次の共役酸のヘンダーソン・ハッセルバルヒの式が成り立つ。
本問では、加えるアンモニア水溶液の液量をx mLとおき、
@式に得られた数値を代入し、xについて解くことで解答が得られる。
NH4+のpKaは次のようにして求められる。
塩基のpKb + 共役酸のpKa = pkw
ここで、アンモニアのpKb = 4.7、水のイオン積[H+][OH−] = 1.0×10−14(mol/L)2 であるので、
4.7 + NH4+のpKa = 14
NH4+のpKa = 9.3
NH3 とNH4+の濃度は下記の通り。
NH3の濃度:(0.18 mol/L×x mL)/(100+x)mL
NH4+の濃度:(0.20 mol/L×100 mL)/(100+x)mL
pH 9.0の緩衝液を調整したい。
以上より、
@式を用いて加えるアンモニア水溶液の液量を(x mL)を求める。
したがって、
加える0.18 mol/L アンモニア水溶液の液量は55mLである。
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