活性酸素種でないのはどれか 109回薬剤師国家試験 問7
109回薬剤師国家試験 問7
活性酸素種でないのはどれか。1つ選びなさい。
109回薬剤師国家試験 問7 解答解説
活性酸素種でないのは、
選択肢の2の3O2(三重項酸素)である。
活性酸素とは、酸素由来の化合物のうち、
酸素分子(O2)の基底状態である三重項酸素より反応性の高いものを指す。
他の選択肢の1O2(一重項酸素),・O2−(スーパーオキシド),
・OH(ヒドロキシラジカル),H2O2(過酸化水素)は、三重項酸素より反応性が高く、活性酸素種に該当する。
三重項とは、2つの電子が、それぞれ別の軌道に互いにスピンの向きを平行にして入った状態である。
三重項酸素とは、下の図のように、
2つの電子が、2つのπ2p*軌道に、
1つずつスピンの向きを平行にして入った状態である。
一重項とは、2つの電子が、
1つの軌道に互いにスピンの向きを逆平行にして入る状態である。
一重項酸素とは、下の図のように、
2つの電子が、2つあるπ2p*軌道の片方に、
2つとも入った状態である。
一重項酸素は、空のπ2p*軌道が1つあるので、ここへ入る電子を強く欲しがる。
そのため、一重項酸素(1O2)は、三重項酸素(3O2)に比べ、反応性が高い。
ほとんどの分子では、一重項の状態がより安定であるので、通常、一重項となっている。
しかし、酸素分子(O2)は例外で、三重項の方がより安定であるので、
通常、酸素分子は三重項(3O2)となっている。
活性酸素とは、酸素由来の化合物のうち、
酸素分子(O2)の基底状態である三重項酸素(3O2)より反応性の高いものを指す。
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