アカルボース,マルトース構造,還元性,p-ベンゾキノンで呈色 105回薬剤師国家試験問121

105回薬剤師国家試験 問121
αグルコシダーゼ阻害薬であるアカルボースに関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選びなさい。

 

アカルボース,マルトース型,還元性,p-ベンゾキノン 105回薬剤師国家試験問121

 

1 マルトース型の部分構造が含まれる。
2 破線で囲んだ部分の結合様式はβ1→4結合である。
3 水に溶けやすい。
4 ヘミアセタール構造をもつため、フェーリング試液による沈殿反応を示す。
5 p-ベンゾキノン試液による呈色反応を示す。

 

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105回薬剤師国家試験 問121 解答解説

 

◆ 1について
1 〇 マルトース型の部分構造が含まれる。

 

2 × 破線で囲んだ部分の結合様式はβ1→4結合である。
→ 〇 破線で囲んだ部分の結合様式はα1→4結合である。

 

アカルボース構造中には、2つのD-グルコースがα1→4でαグリコシド結合したマルトース型部分構造が含まれる。

 

アカルボース,マルトース型,還元性,p-ベンゾキノン 105回薬剤師国家試験問121

 

 

◆ 3について
3 〇 水に溶けやすい。

 

アカルボース(グルコバイ)は親水性基を多く有するので、水に溶けやすい。

 

 

◆ 4について
4 〇 ヘミアセタール構造をもつため、フェーリング試液による沈殿反応を示す。

 

ヘミアセタールとは、アルデヒド・ケトンに対してアルコールが1分子のみ求核付加した構造を指す。

 

アカルボース,マルトース型,還元性,p-ベンゾキノン 105回薬剤師国家試験問121

 

アルデヒド・ケトンに対するアルコールの求核付加反応は下記のリンク先を参照
アルデヒド・ケトンとアルコールでアセタール 91回問9c へ

 

 

アカルボース(グルコバイ)はヘミアセタール構造を持つ。

 

アカルボース,マルトース型,還元性,p-ベンゾキノン 105回薬剤師国家試験問121

 

このヘミアセタール構造は、水中で下記の通り環状構造と鎖状構造とで平衡状態に達するが、鎖状構造のアルデヒドが還元性を示す。

 

アカルボース,マルトース型,還元性,p-ベンゾキノン 105回薬剤師国家試験問121

 

フェーリング反応とは、A液(硫酸銅(II)五水和物の溶液)とB液(酒石酸カリウムナトリウムと水酸化ナトリウムの溶液)の混液であるフェーリング試液を還元性のある物質の溶液に加えて加熱すると、銅(U)イオン(Cu2+)が還元されて酸化銅(T)Cu2Oの赤色沈殿を生じる反応で、試料の還元性を検出する。
アカルボースは還元性を示すので、フェーリング試液による沈殿反応を示す。

 

他、アカルボースは、ベネディクト試液による沈殿反応(フェーリング反応に類似した糖検出反応)やトレンス試液(アンモニア性硝酸銀水溶液)による銀鏡反応でも還元反応を示すと考えられる。

 

 

◆ 5について
5 〇 p-ベンゾキノン試液による呈色反応を示す。

 

アカルボースの溶液にp-ベンゾキノン試液を加えると赤褐色を呈する。この反応は、アカルボース錠(グルコバイ)の確認試験の1つとして用いられる。

 

 

★他サイトさんの解説へのリンク
第105回問119,120,121(e-RECさん)

 

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