92回薬剤師国家試験問11 ニフェジピン,アムロジピンの構造と性質

92回薬剤師国家試験 問11
ニフェジピン及びアムロジピンの構造と性質に関する記述の正誤を判定してみよう。

 

92回薬剤師国家試験問11 ニフェジピン,アムロジピンの構造と性質

 

a これらの化合物は、1,2-ジヒドロピリジン骨格をもつ。
b アムロジピンは、ニフェジピンより水溶性が高い。
c ニフェジピンの構造には、10個のsp2炭素が存在する。
d アムロジピンのベンゼン環は、ニフェジピンのベンゼン環よりも電子密度が高い。

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92回薬剤師国家試験 問11 解答解説

 

◆ aについて

 

a × これらの化合物は、1,2-ジヒドロピリジン骨格をもつ。
→ 〇 これらの化合物は、1,4-ジヒドロピリジン骨格をもつ。

 

1,4-ジヒドロピリジンとは、ピリジンの1位と4位が水素化されたものであり、
1,2-ジヒドロピリジンとは、ピリジンの1位と2位が水素化されたものである。

 

92回薬剤師国家試験問11 ニフェジピン,アムロジピンの構造と性質

 

ニフェジピン,アムロジピンは1,4-ジヒドロピリジン骨格を持つ。

 

92回薬剤師国家試験問11 ニフェジピン,アムロジピンの構造と性質

 

ニフェジピン(アダラート),アムロジピン(アムロジン,ノルバスク)などの1,4-ジヒドロピリジン骨格を持つカルシウムブロッカーは、ジヒドロピリジン系カルシウムブロッカーと呼ばれる。

 

 

◆ bについて

 

b 〇 アムロジピンは、ニフェジピンより水溶性が高い。

 

下記の通り、アムロジピンには親水性基のアミノ基が有り、ニフェジピンにはアミノ基が無いので、
アムロジピンの方が“相対的に”水溶性は高い。

 

92回薬剤師国家試験問11 ニフェジピン,アムロジピンの構造と性質

 

ただし、アムロジピンもニフェジピンもいずれも疎水性部分が大きいので、水に溶けにくい。

 

一般に、ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬は水に溶けにくい。

 

 

◆ cについて

 

c × ニフェジピンの構造には、10個のsp2炭素が存在する。
→ 〇 ニフェジピンの構造には、12個のsp2炭素が存在する。

 

92回薬剤師国家試験問11 ニフェジピン,アムロジピンの構造と性質

 

 

◆ dについて

 

d 〇 アムロジピンのベンゼン環は、ニフェジピンのベンゼン環よりも電子密度が高い。

 

詳細は下記のリンク先を参照
ベンゼン環 ニトロ基とハロゲンの置換の比較 92問11d

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