ニトログリセリン貼付剤 88回薬剤師国家試験問178b
88回薬剤師国家試験 問178b
薬物送達システム(DDS)に関する記述の正誤を判定してみよう。
b ニトログリセリン貼付剤は、生体内分解性の乳酸・グリコール酸共重合体を高分子膜に用いた製剤で、24時間にわたって薬物を一定速度で放出するので、狭心症発作の予防に用いられる。
88回薬剤師国家試験 問178b 解答解説
b × ニトログリセリン貼付剤は、生体内分解性の乳酸・グリコール酸共重合体を高分子膜に用いた製剤で、24時間にわたって薬物を一定速度で放出するので、狭心症発作の予防に用いられる。
→ 〇 ニトログリセリン貼付剤は、エチレン・酢酸ビニル共重合体を高分子膜に用いた製剤で、24時間にわたって薬物を一定速度で放出するので、狭心症発作の予防に用いられる。
ニトログリセリン貼付剤の膜制御製剤(リザーバー型放出制御製剤)として、ニトロダームTTSがある。
ニトロダームTTSは、エチレン・酢酸ビニル共重合体からなる放出制御膜に用いた製剤であり、24時間にわたってニトログリセリンを一定速度で放出するので、狭心症発作の予防に用いられる。
エチレン・酢酸ビニル共重合体は、代表的な不溶性被膜であり、皮膚に貼付したり、体内に挿入した時の生体への刺激が非常に少ないので、外用剤の放出制御膜の基剤として用いられる。
他のニトログリセリン貼付剤(ミニトロテープ,バソレーターテープなど)はマトリックス型放出制御製剤であり、放出制御膜は無く、マトリックスが放出制御能を有する。
以下、ミニトロテープの特性について、インタビューフォームより
・ミニトロテープ 27mg の構造:MTS(Multi-network Transport System)
貼付面において、粘着性高分子のアクリル系ポリマーが網目状構造を形成しており、そのポリマーに一定量のニトログリセリンを溶解させることで良好な徐放性を示す。すなわち、アクリル系ポリマーの網目構造内に溶解したニトログリセリンが皮膚との接触面から逐次吸収され、減少したニトログリセリンが非接触面の網目部分から順次補充されることによって優れた放出特性が得られる。
なお、bの記述中の乳酸・グリコール酸共重合体は、生体内分解性であり、持続性注射剤用マイクロスフェアの基剤として用いられる。
関連問題
・エチレン・酢酸ビニル共重合体は放出制御膜基剤? 102回問175の5