親水コロイドは電解質濃度を高めると不安定化 94回薬剤師国家試験問172
94回薬剤師国家試験 問172b
分散系の安定性に関する記述の正誤を判定してみよう。
b 親水性コロイドは、溶液の電解質濃度を高めることによって安定化できる。
94回薬剤師国家試験 問172b 解答解説
b × 親水性コロイドは、溶液の電解質濃度を高めることによって安定化できる。
→ 〇 親水性コロイドは、溶液の電解質濃度を高めると不安定になる。
親水コロイドの粒子表面には電気二重層と水和層が形成されており、
この層がコロイド粒子同士の凝集を防ぎ、
分散状態の安定に寄与している。
親水コロイドに対して多量の電解質を添加すると、
親水コロイド粒子表面の水和層が脱水され、かつ、
粒子表面の電荷が中和されて静電反発力が小さくなり、
親水コロイド粒子同士が凝集し、析出する。
これを塩析と呼ぶ。