ピロールの電子軌道塩基性を示さない理由　薬剤師国家試験84回問6b

第84回薬剤師国家試験　問6b　
非共有電子対と塩基性に関する下記の記述の正誤を判定してみよう。

b　ピロールは窒素原子の非共有電子対がsp混成軌道に収容され、塩基性はない。

第84回薬剤師国家試験　問6b　解答解説

b　×　ピロールは窒素原子の非共有電子対がsp混成軌道に収容され、塩基性はない。
→　〇　ピロールは窒素原子の非共有電子対がp軌道に収容され、塩基性はない。

非共有電子対がp軌道に収容されて環の芳香族性に寄与する場合、塩基性を示さない

ピロールの窒素原子はsp2混成軌道をとっているが、非共有電子対は2p軌道に入っている。窒素の非共有電子対がp軌道に収容されることで、ピロール環は芳香族性を示し、結果、環は安定なものになっている。よって、ピロールは塩基性を示さない。

ピロールの電子軌道塩基性を示さない理由　薬剤師国家試験84回問6b