パラ,メタ-ニトロフェノールの酸性度の比較 薬剤師国家試験82回問14ab

第82回薬剤師国家試験 問14ab
酸に関する次の記述の正誤を判定してみよう。

 

a. p-nitrophenolはphenolよりも強い酸である。

 

b. p-nitrophenolはm-nitrophenolよりも強い酸である。

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第82回薬剤師国家試験 問14ab 解答解説

 

◆ aについて
a.〇  p-nitrophenolはphenolよりも強い酸である。

 

パラ,メタ-ニトロフェノールの酸性度の比較 薬剤師国家試験82回問14ab

 

詳細は下記のリンク先を参照
ニトロ基,アルキル基の置換の酸性度への影響 88回問7c

 

 

◆ bについて
b. 〇 p-nitrophenolはm-nitrophenolよりも強い酸である。

 

ニトロ基やシアノ基(CN)等のO,N,Sの不飽和結合を含む置換基の電子求引効果は、オルト・パラ位で相対的に強く、メタ位で相対的に弱い。その理由として、メタ位には共鳴効果が働きにくいことが挙げられる。
よって、p-ニトロフェノールの共役塩基はm-ニトロフェノールの共役塩基よりもアニオンが受ける電子求引効果が強く、負電荷の非局在化の度合いは高く、安定性は高い。
したがって、p-ニトロフェノールはm-ニトロフェノールよりも酸性度が強い。

 

パラ,メタ-ニトロフェノールの酸性度の比較 薬剤師国家試験82回問14ab

 

★参考外部サイトリンク
酸・塩基の定義(猫でもわかる有機化学さん)

 

酸・塩基の平衡(猫でもわかる有機化学さん)

 

酸性の強弱(猫でもわかる有機化学さん)

 

酸性度の概要(薬学これでOK!さん)

 

誘起効果・共鳴効果による酸性度の変化(薬学これでOK!さん)

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