酵素法によるマグネシウムの定量とEDTAの混在 103回問201の1

103回薬剤師国家試験 問201の1
血清マグネシウムの測定法に関する下記の記述の正誤を判定してみよう。

 

1 酵素法による血清マグネシウムの定量では、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)が混在すると低値を示す。

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103回薬剤師国家試験 問201の1 解答解説

 

1 〇 酵素法によるマグネシウムの定量では、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)が混在すると低値を示す。

 

酵素法によるマグネシウムの定量では、
遊離のマグネシウムが補酵素となる酵素反応において、
酵素反応の進行度合いが遊離のマグネシウム濃度に依存することを利用している。
検体中にエチレンジアミン四酢酸(EDTA)が混在した場合、
EDTAとマグネシウムがキレートを形成し、
遊離のマグネシウム濃度が低下してしまうので、酵素法によるマグネシウムの測定値は低値を示す。

 

 

下記は酵素法によるマグネシウム測定用キット「セロテック」Mg−Lの添付文書中の測定原理の記述である。

 

「検体中のマグネシウムにより、
イソクエン酸脱水素酵素(ICDH)が活性化されると、
イソクエン酸はβ-ニコチン酸アミドアデニンジヌクレオチドリン酸酸化型(β-NADP)の存在下で酸化され、αケトグルタル酸(α-KG)となります。
このとき、β-NADPは還元されてβ-ニコチン酸アミドアデニンジヌクレオチドリン酸還元型(β-NADPH)となります。

 

酵素法によるマグネシウムの定量とEDTAの混在 103回問201の1

 

この反応速度はMgの濃度に比例しますので、β-NADPHの生成に伴う吸光度の増加速度を測定することによりMg濃度を求めます。」

 

上記の酵素反応について、
血清中の遊離マグネシウムがEDTAとキレートを形成し、
遊離マグネシウム濃度が低下すると、反応速度は低下し、
マグネシウム濃度は低値を示すことになる。

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