95回薬剤師国家試験問34 分光学的測定法に関する記述の正誤
95回薬剤師国家試験 問34
分光学的測定法に関する記述の正誤について、正しいものはどれか。
a 赤外吸収スペクトルは、一般に、波数 4000 cm-1 〜 400 cm-1 の範囲で測定され、
その波長は 2.5 μm 〜 25 μm に対応する。
b 有機化合物のヒドロキシ基の伸縮振動による赤外線吸収帯は、水素結合すると高波数側にシフトする。
c L-トリプトファンの紫外吸収スペクトルは、インドール環σ電子の基底状態から励起状態への電子遷移を観測している。
d 原子吸光光度法で測定する原子スペクトルは、輝線スペクトルである。
e L-トリプトファン(分子量:204.23、比旋光度 [α]20D:−30.0°〜 − 33.0°) 0.25 g を正確に量り、
水20 mLを加え加温して溶かし、冷後水を加えて正確に25 mLとし、
層長100mmのセルを用いて測定すると、
旋光度は−0.30°〜 −0.33°になる。
95回薬剤師国家試験 問34 解答解説
◆ aについて
a 〇 赤外吸収スペクトルは、一般に、波数 4000 cm-1 〜 400 cm-1 の範囲で測定され、
その波長は 2.5 μm 〜 25 μm に対応する。
下記のリンク先を参照
赤外吸収(IR)スペクトルの波数の範囲 95回問34のa
◆ bについて
b × 有機化合物のヒドロキシ基の伸縮振動による赤外線吸収帯は、水素結合すると高波数側にシフトする。
→ 〇 有機化合物のヒドロキシ基の伸縮振動による赤外線吸収帯は、水素結合すると低波数側にシフトする。
下記のリンク先を参照
水素結合による低波数シフト 95回問34のb
◆ cについて
c × L-トリプトファンの紫外吸収スペクトルは、インドール環σ電子の基底状態から励起状態への電子遷移を観測している。
→ 〇 L-トリプトファンの紫外吸収スペクトルは、インドール環π電子の基底状態から励起状態への電子遷移を観測している。
下記のリンク先を参照
紫外可視吸収と電子遷移 95回問34c
◆ dについて
d 〇 原子吸光光度法で測定する原子スペクトルは、輝線スペクトルである。
下記のリンク先を参照
原子吸光光度法は線スペクトル 94回問33の4
◆ eについて
e 〇 L-トリプトファン(分子量:204.23、比旋光度 [α]20D:−30.0°〜 − 33.0°)
0.25 g を正確に量り、水20 mLを加え加温して溶かし、
冷後水を加えて正確に25 mLとし、層長100mmのセルを用いて測定すると、
旋光度は−0.30°〜 −0.33°になる。
詳細は下記のリンク先を
L-トリプトファンの旋光度測定 95回問34e