イヌリンの血漿中、原尿中、尿中の濃度の関係 111回薬剤師国家試験問45の解説
111回薬剤師国家試験 問45
イヌリンを点滴静注するとき、
定常状態における血漿中イヌリン濃度(Cp)、
糸球体ろ過された直後の尿(原尿)に含まれるイヌリンの濃度(C原尿)
及び排泄される尿に含まれるイヌリンの濃度(C尿)の関係を
最も適切に表しているのはどれか。
1つ選びなさい。

イヌリンの体内動態
イヌリンは、腎機能検査で糸球体ろ過量(GFR)測定に用いられる物質です。
イヌリンの特徴は次の通りです。
糸球体で自由にろ過される
尿細管で再吸収されない
尿細管で分泌されない
腎で代謝されない
つまり、イヌリンは糸球体でろ過された分だけが、そのまま尿中へ排泄される物質です。
Cp と C原尿 の関係
糸球体では、血漿中の水や小分子がろ過されて原尿になります。
イヌリンは血漿タンパク質とほとんど結合せず、糸球体を自由に通過するため、
ろ過直後の原尿中イヌリン濃度は血漿中濃度とほぼ等しくなります。
したがって、
Cp ≒ C原尿
です。
C原尿 と C尿 の関係
原尿が尿細管を通過する間に、水は再吸収されます。
しかし、イヌリン自体は再吸収も分泌もされません。
そのため、尿細管で水だけが減ることで、
イヌリンは濃縮されます。
したがって、最終的に排泄される尿中のイヌリン濃度は、
原尿中濃度より高くなります。
C原尿 < C尿
です。
血漿中濃度と原尿中濃度はほぼ等しく、
尿細管で水が再吸収されることで尿中濃度は高くなります。
したがって、
Cp ≒ C原尿 < C尿
となります。
