ニフェジピンの固体分散体 86回薬剤師国家試験問153a
86回薬剤師国家試験 問153a
経口投与時の吸収性に及ぼす製剤学的又は生理学的要因に関する記述の正誤を判定してみよう。
a ニフェジピンは水溶性高分子のポリビニルピロリドンを用いて固体分散体とすると、溶解速度が低下して、経口投与時の吸収性が低下する。
86回薬剤師国家試験 問153a 解答解説
a × ニフェジピンは水溶性高分子のポリビニルピロリドンを用いて固体分散体とすると、溶解速度が低下して、経口投与時の吸収性が低下する。
→ 〇 ニフェジピンは水溶性高分子のポリビニルピロリドンを用いて固体分散体とすると、溶解速度が上昇して、経口投与時の吸収性が高まる。
薬物が担体となる高分子に分散された粉体を固体分散体と呼ぶ。
固体分散体製剤の目的の多くは、難溶性薬物を非晶質化することで溶解性を改善することである。
また、一般に非晶質は不安定であるが、固体分散体とすることで非晶質の安定性を高めることができる。
固体分散体製剤の担体高分子として、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒプロメロース、メタクリル酸−メタクリレートコポリマーなどがある。
ニフェジピンは難溶性の薬物であるが、水溶性高分子のポリビニルピロリドンを用いた固体分散体製剤とすれば、ニフェジピンを比較的溶解性の高い非晶質として投与することができ、溶解速度が上昇して、経口投与時の吸収性が高まる。