ラウールの法則が成立する溶液の蒸気圧降下度 93回薬剤師国家試験問17a

93回薬剤師国家試験 問17a
物質の性質に関する記述の正誤を判定してみよう。

 

a ラウール (Raoult) の法則が成立する溶液について、揮発性溶媒Aの蒸気圧降下の大きさ儕が下式で示されるのは、溶質Bが不揮発性の場合である。
儕 = P0A・XB (P0A:純溶媒Aの蒸気圧、XB:溶質Bのモル分率)

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93回薬剤師国家試験 問17a 解答解説

 

a 〇 ラウール (Raoult) の法則が成立する溶液について、揮発性溶媒Aの蒸気圧降下の大きさ儕が下式で示されるのは、溶質Bが不揮発性の場合である。
儕 = P0A・XB (P0A:純溶媒Aの蒸気圧、XB:溶質Bのモル分率)

 

ラウールの法則とは、気相と平衡にある理想溶液の成分iの蒸気分圧(pP i)は、
成分iの純物質の蒸気圧(P i)と成分iのモル分率(Xi)に等しいことであり、下記の式で表される。
Pi = P i・Xi
ラウールの法則が成り立つ場合、成分iの蒸気分圧は、成分iの純物質の蒸気圧(P i)を比例定数とし、iのモル分率(Xi)に比例するともいえる。

 

揮発性溶媒Aに溶質Bが溶解した混合溶液において、
蒸気全圧(P)について次式が成り立つ。
P = P A + P B
(PA:Aの蒸気分圧 P:Bの蒸気分圧)

 

ここで、溶質Bが不揮発性の場合、P=0であるので、
P = PA = P A・XA = P A・(1−XB
が成り立つ。

 

純溶媒Aに不揮発性の溶質Bが溶解したことによる蒸気圧降下度(儕)は、
液体がAの純物質だった時の蒸気圧(P A)と混合溶液になった時の蒸気圧(P)の差であるので、次式が成り立つ。
儕 = P A − P
= P A − P A・(1−XB
= P A・XB

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