蛍光 量子収率,強度は濃度に比例 97回薬剤師国家試験問99

97回薬剤師国家試験 問99
蛍光光度法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選びなさい。

 

1 蛍光は、分子が基底状態から励起状態に遷移する際に観測される。
2 光源として、通常、重水素ランプが用いられる。
3 蛍光スペクトルを測定すると、ラマン散乱光が観測されることがある。 
4 蛍光量子収率は、蛍光強度をモル吸光係数で除した値である。
5 溶液中の蛍光物質の濃度が十分に希薄であれば、蛍光強度は蛍光物質の濃度に比例する。

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97回薬剤師国家試験 問99 解答解説

 

◆ 1について
1 × 蛍光は、分子が基底状態から励起状態に遷移する際に観測される。
→ 〇 蛍光は、分子が励起状態から基底状態に遷移する際に観測される。

 

下記のリンク先を参照
蛍光とは 97回問99の1

 

 

◆ 2について
2 × 蛍光光度法の光源として、通常、重水素ランプが用いられる。

 

蛍光分光光度計の光源 101回問99の1

 

 

◆ 3について
3 〇 蛍光スペクトルを測定すると、ラマン散乱光が観測されることがある。

 

蛍光測定では、励起光を試料に照射して生じるレイリー散乱光やラマン散乱光の影響を受ける。

 

レイリー散乱・ラマン散乱については下記のリンク先を参照
レイリー散乱 101回問95の2

 

ラマン散乱 101回問95の3

 

 

◆ 4について
4 × 蛍光量子収率は、蛍光強度をモル吸光係数で除した値である。
→ 〇 蛍光量子収率は、発光した蛍光量子の数を吸収した励起光量子の数で除した値である。

 

 

蛍光量子収率(φ:ファイ)は下記の式で表される。

 

蛍光光度法 ラマン散乱,量子収率 97回薬剤師国家試験問99

 

上記より、蛍光量子収率は蛍光物質の励起光から蛍光への変換効率のようなものである。
蛍光量子収率は1より小さくなる。

 

 

◆ 5について
5 〇 溶液中の蛍光物質の濃度が十分に希薄であれば、蛍光強度は蛍光物質の濃度に比例する。

 

詳細は下記のリンク先を参照
蛍光強度と比例関係にあるもの 95回問25b

 

★他サイトさんの解説へのリンク
第97回問99(e-RECさん)

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