薬剤師国家試験過去問題集 一般試験法・製剤試験法

日本薬局方に収載の製剤に関連した試験法 88回薬剤師国家試験問179

88回薬剤師国家試験 問179
日本薬局方に収載されている製剤に関連した試験法に関する記述の正誤について、正しいものはどれか。
a 溶出試験法には、回転バスケット法、パドル法、フロースルーセル法があり、試験に用いる方法は医薬品各条で規定されている。
b 崩壊試験法において、腸溶性の製剤に対しては第2液のみによる試験を行う。
c 含量均一性試験法において、個々の含量から判定値を計算し、その値と個々の含量との偏差(%)が限界値以内のときは適合とする。

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88回薬剤師国家試験 問179 解答解説

 

◆ aについて
a 〇 溶出試験法には、回転バスケット法、パドル法、フロースルーセル法があり、試験に用いる方法は医薬品各条で規定されている。

 

溶出試験法は,経口製剤について有効成分の溶出を調べ、溶出試験規格に適合しているかどうかを判定するために行うものであるが,併せて著しい生物学的非同等を防ぐことを目的としている。
溶出試験法には、回転バスケット法,パドル法,フロースルーセル法がある。

 

関連問題
溶出試験でフロースルーセル法が適用可能な製剤 102回問178の3

 

 

◆ bについて
b × 崩壊試験法において、腸溶性の製剤に対しては第2液のみによる試験を行う。

 

腸溶性製剤の崩壊試験では、
pH 1.2の第1液では崩壊せず、pH 6.8の第2液では崩壊することを試験する。

 

なお、第1液の試験で用いた錠剤を第2液の試験で引き続き使用しない。

 

関連問題
腸溶錠の崩壊試験では第1液試験に用いた錠剤を引き続き第2液試験で使用する?102回問178の1

 

 

◆ cについて
c × 含量均一性試験法において、個々の含量から判定値を計算し、その値と個々の含量との偏差(%)が限界値以内のときは適合とする。

 

含量均一性試験は製剤均一性試験法の1つである。
含量均一性試験は、判定値と個々の含量との偏差(%)が限界値以内かどうかで適否を判定するものではない。

 

製剤均一性試験法(含量均一性試験,および,質量偏差試験)の判定基準は下記の通り。
「固形製剤,半固形製剤及び液剤:初めの試料10個について判定値を計算し,その値がL1%を超えないときは適合とする.もし判定値がL1%を超えるときは,更に残りの試料20個について同様に試験を行い,判定値を計算する.2回の試験を併せた30個の試料の判定値がL1%を超えず,かつ個々の製剤の含量が,含量均一性試験又は質量偏差試験の「判定値の計算」の項で示した(1−L2×0.01) M 以上で,かつ(1+L2×0.01) Mを超えるものがないときは適合とする.別に規定するもののほか,L1を15.0,L2を25.0とする.」

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