シクロペンタンの折れ曲がった立体配座とねじれひずみ 92回薬剤師国家試験問4d
第92回薬剤師国家試験 問4d
シクロアルカンに関する記述の正誤を判定してみよう。
d シクロペンタンは、折れ曲がった立体配座をとり、ねじれひずみを持たない。
第92回薬剤師国家試験 問4d 解答解説
d × シクロペンタンは、折れ曲がった立体配座をとり、ねじれひずみを持たない。
→ ○ シクロペンタンは、折れ曲がった立体配座をとり、ねじれひずみ(二面角ひずみ)を持つ。
平面形配座のシクロペンタンについて、環炭素の結合角は原子価角(109.5°)に非常に近いので結合角ひずみは非常に小さいが、結合同士が重なり形となることによるねじれひずみ(二面角ひずみ)が大きい。
そのため、シクロペンタンは平面形の配座ではなく、下記のような折れ曲がった配座を取る。
折れ曲がり配座は、平面形配座に比べ、環炭素の結合角の原子価角(109.5°)からのずれはわずかに大きいが、ねじれひずみ(二面角ひずみ)は相対的にかなり小さい。よって、シクロペンタンはより安定な折れ曲がり配座をとる。
ただ、シクロペンタンは折れ曲がり配座でもねじれひずみ(二面角ひずみ)が完全に無くなっているわけではない。
シクロペンタンはシクロプロパンやシクロブタンと比べて全体のひずみエネルギーが小さく、反応性は低い。
★参考外部サイトリンク
シクロアルカンの構造(薬学これでOKさん)
ひずみ:結合角ひずみ、二面角ひずみ、立体ひずみ(役に立つ薬の情報〜専門薬学さん)
シクロアルカン(猫でもわかる有機化学さん)