Arrheniusの式における分解反応速度定数kと絶対温度Tの関係 87回薬剤師国家試験問22
87回薬剤師国家試験 問22
Arrheniusの式における分解反応速度定数kと絶対温度Tの関係は,
で示される(A:定数,Ea:活性化エネルギー)
これに関する記述の正誤について,正しいものはどれか。
a 縦軸にk,横軸にTをプロットすると右下がりの曲線を描く。
b Aはkと同じ単位を有し,頻度因子とよばれる。
c 0〜2次反応のいずれにおいても,Eaの値はそれぞれの半減期と温度の関係から求めることができる。
d 2種類の化合物のEaが同じ値をとる場合,高温でより安定な化合物は低温でも安定であるとはかぎらない。
e Rは気体定数で,RTは1モル当たりのエネルギーである。
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87回薬剤師国家試験 問22 解答解説
◆ aについて
a × 縦軸にk,横軸にTをプロットすると右下がりの曲線を描く。
→ 〇 縦軸にk,横軸にTをプロットすると右上がりの曲線を描く。
詳細は下記のリンク先を参照
反応速度定数kは温度の上昇とともに指数関数的に上昇 92回問22a
◆ b,cについて
b 〇 Aはkと同じ単位を有し,頻度因子とよばれる。
c 〇 0〜2次反応のいずれにおいても,Eaの値はそれぞれの半減期と温度の関係から求めることができる。
詳細は下記のリンク先を参照
Eaの値は半減期と温度の関係から求められる 87回問22bc
◆ dについて
d × 2種類の化合物のEaが同じ値をとる場合,高温でより安定な化合物は低温でも安定であるとはかぎらない。
→ 〇 2種類の化合物のEaが同じ値をとる場合,高温でより安定な化合物は低温でも安定である。
下の図に示す通り、
2種類の化合物XとYについて、
活性化エネルギーEaが同じ場合(Ea X=Ea Y)、
アレニウスプロットの傾きは同じであり、
高温で相対的にlnkが小さく安定な化合物は、
低温でも相対的にlnkが小さく安定である。
◆ eについて
e 〇 Rは気体定数で,RTは1モル当たりのエネルギーである。
気体定数Rの単位はJ・K −1・mol −1であり、
絶対温度の単位はKなので、
RTの単位はJ・mol −1であり、
RTは1モル当たりのエネルギーとなる。