可逆反応のポテンシャルエネルギー曲面 95回薬剤師国家試験問22

95回薬剤師国家試験 問22
図は可逆反応のポテンシャルエネルギー曲面である。
ただし、Ea、及び Eb は活性化エネルギーである。

 

可逆反応のポテンシャルエネルギー曲面 95回薬剤師国家試験問22

 

次の記述の正誤について、正しいものはどれか。

 

a 正反応の速度定数kと絶対温度Tの関係は、
可逆反応のポテンシャルエネルギー曲面 95回薬剤師国家試験問22
で表される。ここで、Aは頻度因子、Rは気体定数である。

 

b Ebは、正反応の活性化エネルギーである。
c 正反応は、吸熱反応である。
d 正反応の速度定数は、逆反応の速度定数より大きい。

トップページへ

 

薬剤師国家試験過去問題 科目別まとめ一覧 へ

 

薬剤師国家試験過去問題集 アレニウス式・エネルギー図 一覧へ

 

 

95回薬剤師国家試験 問22 解答解説

 

◆ aについて
a × 正反応の速度定数kと絶対温度Tの関係は、
可逆反応のポテンシャルエネルギー曲面 95回薬剤師国家試験問22
で表される。ここで、Aは頻度因子、Rは気体定数である。

 

詳細は下記のリンク先を参照
正反応の速度定数と絶対温度の関係式 95回問22a

 

 

◆ bについて
b × Ebは、正反応の活性化エネルギーである。
→ 〇 Ebは、逆反応の活性化エネルギーである。

 

c 〇 正反応は、吸熱反応である。

 

可逆反応のポテンシャルエネルギー曲面 95回薬剤師国家試験問22

 

正反応(右方向)について、
反応物(出発物)よりも生成物の方がポテンシャルエネルギーは高いので、
正反応(右方向)の僣は正であり、吸熱反応である。

 

逆反応(左方向)について、
生成物よりも反応物の方がポテンシャルエネルギーは低いので、
逆反応(左方向)の僣は負であり、発熱反応である。

 

 

◆ dについて
可逆反応のポテンシャルエネルギー曲面 95回薬剤師国家試験問22

 

d × 正反応の速度定数は、逆反応の速度定数より大きい。

 

本問の可逆反応では、
正反応の活性化エネルギー(Ea)は、
逆反応の活性化エネルギー(Eb)よりも大きい。

 

この場合、
正反応と逆反応のアレニウスプロットの関係は、
正反応と逆反応の頻度因子(A)の大小によって次のように場合分けされる。

 

・正反応の頻度因子>逆反応の頻度因子の場合

 

可逆反応のポテンシャルエネルギー曲面 95回薬剤師国家試験問22

 

 

・正反応の頻度因子≦逆反応の頻度因子の場合

 

可逆反応のポテンシャルエネルギー曲面 95回薬剤師国家試験問22

 

以上より、
正反応と逆反応の速度定数kの大小の比較は、
正反応と逆反応の活性化エネルギーの大小と
頻度因子Aの大小と
温度により決まることがわかる。

トップへ戻る