活性化エネルギーが同じ2種の医薬品の分解速度定数の比は、温度にかかわらず一定 94回薬剤師国家試験問167c
94回薬剤師国家試験 問167c
医薬品の安定性に関する記述の正誤を判定してみよう。
c 分解反応の反応次数が同じでアレニウス式に従い、活性化エネルギーも同じ2種の医薬品の分解速度定数の比は、温度にかかわらず一定である。
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94回薬剤師国家試験 問167c 解答解説
c 〇 分解反応の反応次数が同じでアレニウス式に従い、活性化エネルギーも同じ2種の医薬品の分解速度定数の比は、温度にかかわらず一定である。
反応速度定数kと絶対温度Tの関係式として、
次のアレニウス式がある。
アレニウス式は0、1、2次反応のいずれの場合でも成立する。
いくつかの温度で反応速度定数(k)を測定し、
絶対温度の逆数(1/T)に対して反応速度定数の自然対数(lnk)をプロットすると直線が得られる。
これをアレニウスプロットと呼ぶ。
Aは頻度因子と呼ばれる定数であり、
温度が無限大に高い時の反応速度定数kとされ、
反応速度定数kと同じ単位を持つ。
アレニウスプロットの直線の傾きは(−Ea/R)であり、
y切片は頻度因子(A)である。
上図は活性化エネルギーが同じで頻度因子の異なる2つの医薬品のアレニウスプロットである。
上図に示す通り、
分解反応の反応次数が同じでアレニウス式に従い、
活性化エネルギーも同じ2種の医薬品について、
活性化エネルギーが同じならアレニウスプロットの直線の傾きは同じである。
したがって、設問の記述について、
分解反応の反応次数が同じでアレニウス式に従い、活性化エネルギーも同じ2種の医薬品の分解速度定数の比は、温度にかかわらず一定であるといえる。