反応速度に関係する図についての記述 82回薬剤師国家試験問27
82回薬剤師国家試験 問27
反応速度に関係する下図についての記述の正誤について、正しいものはどれか。ただし、触媒の有無によって頻度因子は変わらないものとする。
a この反応は吸熱反応である。
b この反応が自発的に進行するとき、反応後の系の自由エネルギーは反応前の系に比べて低下している。
c 触媒の添加によって反応速度が大きくなるのは、Eaの値が増加するためである。
d 触媒を添加すると僣の値は増加する。
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82回薬剤師国家試験 問27 解答解説
◆ aについて
a × この反応は吸熱反応である。
→ 〇 この反応は発熱反応である。
設問の図より、
反応前の系より反応後の系の方がエネルギーが低く、
反応エンタルピー(反応熱:僣)は負の値であるため、
この反応は発熱反応である。
詳細は下記のリンク先を参照
発熱反応・吸熱反応のエネルギー図
◆ bについて
b 〇 この反応が自発的に進行するとき、反応後の系の自由エネルギーは反応前の系に比べて低下している。
自発的な変化は、ギブズ自由エネルギーの減少する方向へと進む。
詳細は下記のリンク先を参照
ギブスエネルギーと自発的な変化の方向と平衡 94回問18a
◆ c,dについて
c × 触媒の添加によって反応速度が大きくなるのは、Eaの値が増加するためである。
→ 〇 触媒の添加によって反応速度が大きくなるのは、Eaの値が低下するためである。
d × 触媒を添加すると僣の値は増加する。
→ 〇 触媒の添加で僣の値は変化しない。
触媒は、遷移状態を変化させることにより、
活性化エネルギー(Ea)を低下させ、
反応速度を上昇させる。
触媒の添加で僣の値は変化しない。