塩基性薬物の溶媒抽出と水相のpH 91回薬剤師国家試験問29d
91回薬剤師国家試験 問29d
薬物の分析を行う際の試料前処理法に関する下記の記述の正誤を判定してみよう。
d 弱塩基性薬物ではpKaより水相のpHを低く調整し、有機溶媒中に抽出する。
91回薬剤師国家試験 問29d 解答解説
d × 弱塩基性薬物ではpKaより水相のpHを低く調整し、有機溶媒中に抽出する。
→ 〇 弱塩基性薬物では共役酸のpKaより水相のpHを高く調整し、有機溶媒中に抽出する。
溶媒抽出法で、
酸性化合物または塩基性化合物を有機溶媒に抽出する場合は、
試料水溶液のpHを調整して、
溶質の化学種を極性の低い分子形にすると抽出率が高くなる。
★ 塩基性化合物は溶液のpHが高いほど分子形になりやすく、有機溶媒へ抽出されやすくなる。
塩基性の解離基はpHが高いほど分子形になりやすくなる。
よって、塩基性化合物では、
pHを共役酸のpKaより2以上高くすると、
ほとんどの分子が分子形となり、
有機溶媒に抽出されやすくなる。