酸性物質の溶媒抽出と水相のpH 92回薬剤師国家試験問28b
92回薬剤師国家試験 問28b
溶媒抽出法に関する下記の記述の正誤を判定してみよう。
b 水溶液中の目的成分が酸性物質である場合、この水溶液をアルカリ性にすれば有機溶媒で抽出されやすくなる。
92回薬剤師国家試験 問28b 解答解説
b × 水溶液中の目的成分が酸性物質である場合、この水溶液をアルカリ性にすれば有機溶媒で抽出されやすくなる。
→ 〇 水溶液中の目的成分が酸性物質である場合、この水溶液を酸性にすれば有機溶媒で抽出されやすくなる。
溶媒抽出法で、
酸性化合物または塩基性化合物を有機溶媒に抽出する場合は、
試料水溶液のpHを調整して、
溶質の化学種を極性の低い分子形にすると抽出率が高くなる。
★ 酸性化合物は溶液のpHが低いほど分子形になりやすく、有機溶媒へ抽出されやすくなる。
酸性の解離基はpHが低いほど分子形になりやすくなる。
よって、酸性化合物では、
試料溶液のpHをpKaより2以上低くすると、
ほとんどの分子が分子形となり、
有機溶媒に抽出されやすくなる。