酸性・塩基性化合物の溶媒抽出と分子種 95回薬剤師国家試験問29b
95回薬剤師国家試験 問29b
低分子量の薬物の分析を行う際の試料の前処理法に関する記述の正誤を判定してみよう。
b 酸性または塩基性化合物を有機溶媒に抽出する場合は、試料溶液のpHを調整して分子種をイオン形にすると抽出率が高くなる。
95回薬剤師国家試験 問29b 解答解説
b × 酸性または塩基性化合物を有機溶媒に抽出する場合は、試料溶液のpHを調整して分子種をイオン形にすると抽出率が高くなる。
→ 〇 酸性または塩基性化合物を有機溶媒に抽出する場合は、試料溶液のpHを調整して分子種を分子形にすると抽出率が高くなる。
溶媒抽出法において、
プロトンの解離基を持つ溶質の化学種のうち、
極性の高いイオン形は極性の低い有機溶媒には抽出されにくく、
極性の低い分子形は極性の低い有機溶媒には抽出されやすい。
そのため、溶媒抽出法において、
酸性化合物または塩基性化合物を有機溶媒に抽出する場合は、
試料水溶液のpHを調整して、
溶質の化学種を極性の低い分子形にすると抽出率が高くなる。