徐タンパク 酸変性法で用いる酸 97回薬剤師国家試験問98の4
97回薬剤師国家試験 問98の4
低分子量の薬物分析を行う際の試料の前処理に関する記述の正誤を判定してみよう。
4 水溶液中のタンパク質を不溶化し除去するために添加する酸として、塩酸、硝酸が適している。
97回薬剤師国家試験 問98の4 解答解説
4 × 水溶液中のタンパク質を不溶化し除去するために添加する酸として、塩酸、硝酸が適している。
→ 〇 水溶液中のタンパク質を不溶化し除去するために添加する酸として、トリクロロ酢酸や過塩素酸などのかさ高い酸が適している。
水溶液中のタンパク質の高次構造を壊し、不溶化して沈殿にして除去する方法の1つとして、酸変性法がある。
酸変性法は、かさ高い酸を加えることで、タンパク質に結合して高次構造の形成に働く水分子を追い出し、
タンパクを変性させて疎水性部分を表面に露出させて不溶化する。
酸変性法で用いられる酸は立体的にかさ高いものである必要があり、トリクロロ酢酸や過塩素酸などが用いられる。
塩酸,硫酸,硝酸は酸としては強いが、かさ高くはないので良い徐タンパク効果を示さず、酸変性法では用いられない。